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ニコミュ「千本桜」について、書きたいことがありすぎる:⑥-3

気付けば、舞台を観に行ってからもう1ヶ月以上経ってるんですよねぇ
一体いつまで感想(というか、自己解釈語り)書いてるのやら、気が遠くなります
1ヶ月以上もこんなこと考えて楽しんでるんですから、チケット代の採算は
もう十分とれましたよね


そんなわけで
テーマ⑥陸・海・空 の続き、パート3
曾良と海斗の違いについて
あと、エンディングの解釈もちょっと

いつものことながら、書きたいことはたくさんあるんですが
そもそも文章力と構成力が著しく欠けているうえ、書いている最中にどんどん考えが変わってきちゃって
そんな状態の人間の書いているものなので、本当にアレでソレなんですが、気が向いたら読んでやってください

曾良と海斗、とてもよく似た性質を持つ2者ですが
今作で迎えた顛末は、真逆と言っていいほど違うものでした

2人の顛末を追いながら、その違いを見たいと思います

■曾良の顛末

曾良は、もともとは蛤乃宮を擁立するためにクーデターを企てていたことが
劇の中盤で判明しましたが
彼は 我々が見ても明らかなほど、無能な男でした
正直、何故曾良ほどの男がこんなことすら見抜けなかったのか、不思議でなりません

彼らの想いの結晶である血判状を足蹴にした蛤乃宮に対し激昂した曾良は、
彼の首をへし折り、それをきっかけに、クーデターに踏み切ります

…いや、これ クーデターなんですかね?
クーデターとは、辞書によると“武力により政治の権力を奪うこと”ですが
擁立すべき対象は、たった今殺してしまったし
なにより曾良自身は、自らが権力の座に就くという野心の全くない
純粋な憂国の志士です

どう考えても成功なんてありえません
完全に自滅コースです

…確かに、曾良にも同情すべき点は多々ありますが
結果的には、彼の独断と暴走によって
多くの志士がこの戦いで散ることになりましたし

このクーデターの失敗を受けて
最終的に自害し、果てることとなりました


■海斗の顛末

さて、上記の曾良とは若干状況が異なるものの
劇中の海斗にも度々危機に見舞われます

まず、曾良から海斗の暗殺を命じられた陸を手に掛けてしまった件
ここで海斗は自分を責め、自らの殻に閉じこもります
信じていたものに裏切られたという状況は、蛤乃宮に絶望した曾良の心境にも通じるものがあります

しかし、ここで海斗は 鳴子の言葉により
自分が何を為すべきかに気付き、前に進むことができました

また、曾良の死により影憑きとなってしまった件も
暴走する海斗を、本来の彼に戻すべく語りかけたのは未来でしたし
千本桜に斬りかかる海斗をすんでで止めたのは、鈴でした

海斗の周りにいる人物が、それぞれ自分にできることを寄せてくれたことが
結果的に彼を救うこととなりました

■曾良と海斗の最大違い

以上のことから
自分を諌めてくれる人物
自分を救おうとしてくれる人物
自分のために、何かをしようとしてくれる人物
つまり、“友”という存在の有無
これが、今回の曾良と海斗の決定的な違いと考えています

曾良がここまで愚かな道を進んでしまったのは
細かく言えば色々あるのでしょうが
とどのつまり、彼がすべて自分で抱え込んでしまい
自分の考えですべて決めなくてはならなかったことに起因していると考えます

でもって 曾良の隣には、ずっと誰もいなかった
それが最大の死因です



さて、ここで気になることがいくつか

海斗の危機の際、周囲のメンバーが彼を助けようとしてくれたのは
もちろん海斗が、それまでの過程で周囲の者に優しく・誠実に生きてきたからですが
この助けを生かし危機を乗り越えることができたのは
海斗が、友の言葉や助けを受け入れるという心境になっていたからこそです

しかし、⑥-2で書いたとおり 序盤ではかなり独善的な言動が目立つワンマンタイプの男
一体、どこが転換点だったのか?ということが一点


そして、周囲の者に優しく・誠実に生きてきたといえば
曾良だって、親を無くした海斗を育て
母一人子一人で苦労していた陸を入隊させるよう口利きしたり
そしてなにより、この優しさを曾良から受け継いでいたことにより
海斗は今回の件で、周囲から助けを受けることができたわけです

結局のところ、曾良の本意はどこにあったのか
この辺について、私の解釈を書きたいと思います



■海斗の転換点

さて、劇の前半であまりにも独善的な様子だった海斗
一体どこで、心境の変化があったのか?

実は、劇中でちょっと引っかかってたところがあるんです

陸を手にかけた後、海斗が観た悪夢の中で
鳴子は「どうしてわっちを、助けてくれなかった」と歌います
ここは、海斗の苦悩をイメージしたシーンなので、
海斗は、陸との戦いで鳴子に傷を負わせてしまったことについて責任を感じ
その罪悪感が、夢の中で鳴子に姿を変え、自分を責めているわけです

で、そうだとすると この後の流れにちょっと違和感があるんです?
「上弦の月」の後、未だ目を覚まさぬ鳴子に対し「どうすればいいんだろうな?」と問いかけるシーンがあるのですが
そもそも、先の夢でも分かる通り、鳴子に対し罪の意識があるのに
何故あそこで鳴子のもとに足を運ぶことができたのか?

そして、彼女に対し罪悪感があるなら あんな問いかけは絶対に出てこないはずなんです
しかしどうして、海斗はそう言うことができたのか?


この変化、きっかけはこの直前
未来の台詞にあります

海斗のことを心配し、励まそうとしてくれたメンバーを拒絶し
彼を気遣ってくれた未来にすら、出ていけと言い放った海斗に対し
去り際に未来が言った台詞
「神憑きって何なの?」「こんなの悲しいよ」「もう影憑きを倒すなんてできないよ!」
(うろ覚えなので断片ですいません。)

まず、未来がこの台詞言ったのは海斗のせいです
あの子がずっと、これは口にすまいと我慢していたのは、彼女が上記の台詞を言いながらも
海斗のことを慮っていたことから察せられます
彼のあまりの頑なな拒絶に、とうとう耐えられず、つい口にしてしまったのでしょう

この台詞聞いて、海斗は頭を抱えます
未来が口にした内容が 自身もずっと答えを出せず苦しんでいることであることから
この台詞が、海斗に対する追い打ちになった という解釈もあるでしょうが
私は、これだけでなく
ここで未来の本音を聞いたことで 自分がいかに周囲の人間に対し無理解であったのか
そして、自分自身が殻に閉じこもり 結果的に周囲の者を傷つけてしまったことによって
未来にこんな言葉を言わせてしまったと
そのことに気付いたからではないか?と想像します

なにしろ、この直前に見ていた夢の中に出てきた未来は
陸を殺したことについて、無表情で責め立てるような形で出てきていますから
これから察するに、海斗は未来が考えていることをほとんど理解していなかったのは
間違いないです

そして、ここで こういった気付きがあったからこそ、この次のステップとして
あの時、自分を庇った鳴子は 一体何を考えそうしたのか
鳴子に聞きに行こうという発想が生まれたのだと考えます


…と、そう考えると
鳴子への第一声、「俺、どうすればいいんだろうな!」っていうのは、
今まで、なにごともひたすら自分で背負っていた
逆にいうと、ずっと独りよがりで進んできた男が、
人から話を聞くために、やっとのことで絞り出した言葉なわけです

なんともまぁ…可愛いじゃねぇか
改めて見返すと、なんだかニコニコしてしまいますね


その後、鳴子の言葉を聞いた海斗は
ここで、人の言葉に耳を傾けること 自分の想いを伝えることの大切さに気付いた
だからこそ、ここでクーデターを止めることや
曾良に「生きてほしい」と伝えることができたのだと考えます


■曾良の本意は?

先ほど、曾良の隣には、ずっと誰もいなかったというのが
曾良の死因だと書きましたが
曾良自身はその状況をどう思っていたのか?

思い起こせば、曾良の真意がもっとも不可解だったのが
陸に海斗の暗殺を命令したシーン

本気で殺すつもりだったら、あそこで陸を使うっていうのはおかしいんですよね
彼は現状海斗の部下であることから、一時的には陸をその気にさせたしたとしても
直前で迷いが発生する可能性はあるだろうし
戦闘能力の面でも、部隊に配属されて半年なので、経験も圧倒的に少ない…
いくら銃を与えたとはいえ、最強の神憑きと言われ、なにより自分が手塩にかけて育てた海斗の実力を曾良が知らない筈はありません

曾良は、ここで海斗を殺す気は、恐らくないです
“俺は本気だ、どうする?”ということを、海斗に知らしめること
なおかつ、海斗にもう一度選択のチャンスを与えるというのが本当のところだったんじゃないかと思います
(陸をどう扱うかというのが、そのまま海斗の答えになる)

あくまで想像ですが
曾良が海斗に声を掛けた時、内心では自分の隣に置くことを望んでいたのかも知れません
自覚していたのか、そうでないかは分かりませんが


そして海斗も、実はそんな曾良の想いに
薄々気付いていたかもしれません

陸の件の後に見た悪夢のシーン
海斗の夢の中で曾良は、鬼の面をつけて登場しているんですよね
観劇時は何故?と思っていたのですが
あれは、海斗が曾良の強い面だけを見ていて 本心が見えていなかったことを示唆してたんじゃないか?と解釈しています

そして、曾良の自害の後に 海斗が影憑きになったところ
初見時は、海斗があそこで曾良を追い詰めたことを悔い、自分を責めたから
影憑きになってしまったと考えていましたが
ここもやはり、曾良に対し何もできなかった自分を悔いてのことと思います

もちろん、育ての親である曾良を失ったことがショックであったのもあるでしょうが
クーデターを止めたことや、「生きてほしい」と伝えたことは、その時の海斗の信念に則った行為ですし
クーデターだって、そもそも失敗しかありえないようなものなので
海斗が曾良を追い詰めた、という解釈は違うんですよね

ここでの海斗の苦しみは、自分は「遅すぎた」ということ

そもそも、このクーデターを起こすという話を受けた時に
海斗は、曾良に語れる言葉をもたなかった
ひょっとしたら、海斗なら曾良の“友”になることができたかもしれないのに
それに気付くのも、行動を起こすのもなにもかもが遅かったと
そんな後悔から来ているものと考えます


しかし、こう考えると
海斗と曾良の違いは、本当に微々たるものです

陸に薬が投与されていなかったら
曾良が蛤乃宮に会うタイミングがもう少し遅ければ、
海斗がもっと早くに気づいていれば
曾良と海斗が共に進む未来があったかも知れないと思うと、なんとも言い難いものがあります




さて、余談ですが

海斗が影憑き化した際
恐らく、未来の呼びかけで正気を取り戻してます
一旦動きが止まったあのあたり、あそこで一瞬取り戻しかけたけど
再度、心の隙(罪悪感)が生まれ、薬が効いのではないかと思っています

一旦取り戻した、というのはともかく
どうして再度薬が効いたのか?というところなんですが
ここ、多分なんですけど 影憑きと化した自分に語りかける未来をみて
陸に相対した自分のことを思い出したんじゃないかと想像します
あの時の海斗は、なんだかんだいって自分のことばっかり考えてましたから
(ここについては⑥-1で書いてます)
そのことを思い出して、未来比べた自分の行いに悔い、また心に闇ができたんじゃないかな?と
それでもギリギリ正気のところで、未来を突き飛ばして逃がしたんじゃないかと
そう考えてます

で、上のような反省があったからこそ、正気を取り戻した後も
「俺にできるのか?」なんて、冒頭の海斗じゃ考えられないくらい
しおらしいこと言っちゃったんだろうな、と

なので、ここで未来が「僕も手伝う!」と言い、
海斗も、何も言わずにこれを受け入れたというのは
海斗・未来が対等な友となった(海斗が未来を認めた)シーンになるわけですね
未来さん超頼もしい!



いやしかし、先の件といい こうしてみると
未来さんはこのストーリー上で かなりいろいろ仕事してますね
さらっと観たくらいじゃ彼女の活躍ぶりが伝わりにくくて、大変勿体ない


■クライマックス

ドクターの手により育てられた苗木が海斗の手に届き
海斗らは、この苗木がどのように育つのかは
これからの我々の心掛け次第と、未来(みらい)の展望について歌います

そして、ここで海斗らが歌う後ろに
ドクターと小春 市井の人々らとともに
曾良と陸 そして憂国の志士たちが現れます

観劇当初は、ここで彼らが登場するのは蛇足のような気がしていました
ここで彼らが登場するのは、そして、彼ら想いを受け継ぐような歌詞になっているのは
物語を大団円っぽく見せるため、無理やりねじ込んだ登場のような気がしていたんですね

しかし、今改めて考えると
やはり、あそこで彼らの登場は必須だったと思います

先述のとおり
陸は過去の自分・曾良は進んだかもしれない未来
海斗を巡る男3人が、ここではじめて舞台に揃いました
(海斗の夢の中では、曾良は仮面をつけていたので)

しかし、ここで海斗は未来・鳴子・鈴・錬と共に
「友の力を借りて」前へ進む、と歌います
彼らの出現位置を背にこう歌うことで、海斗らは
彼らとは別の、新しい道を歩めることを示している

憂国の志士らの想いを受け継ぐというシーンではありますが
彼らとは、ここで結構はっきりと決別してるんですね

だからこそ、観客である我々は あのシーンで
安心して(?)感動できるのだと思います
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きりたちのぼる

Author:きりたちのぼる
ボカロ(特に千本桜)と、仮面ライダーと、フィギュア遊びと、あとその時にハマってるアニメの感想などをやっています。
だいたい迷走してます。
よろしくお願いします。

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